ハレルヤ

2006/01/29



 好きって言って、思い切り抱きしめた。
 夢じゃないかな、夢じゃないよな。だってユウが温かくってちゃんとユウの生きてる匂いがする。
 ああ、夢じゃないさ、これ。


 ユウが今オレの腕の中にいる。




 好きって言われた。思い切り抱きしめられた。
 なんだこれ。夢だろ。夢だよな。……でもなんでこんなリアルなんだよ。
 待て、ちょっと待て。これ夢じゃねぇ。


 ラビが今俺を抱きしめてる。


 心臓が鳴った。触れたい人に触れていた。どうしようもないと思っていた感情を、今吐き出した。
「ユウのこと、好き。……好き。…好き……」
 耳元に吐息が聞こえる。震えているような音だった。
 女を抱いた手で触れるなと言われたけれど、どうしても今じゃなきゃダメなんだ。もうこれを逃したら絶対に言えない。
 ありったけの想いをこめて伝えるけれど、どうしよう、こんなものじゃ伝わらない。
 神様、かみさま嗚呼どうしたらいいんだ。この心全部伝えるには、あとはどうしたら。
「ユウが好き」
 ユウはさっきオレを抱きしめてくれた。抱きしめて欲しいヤツは自分じゃないのに、って言って、背中を向けた。オレを抱きしめたいって意味でいいんさ? ねぇ。ねぇ、オレはユウに抱きしめてもらいたい。
 自惚れでいい。今はそれでもいい。幸せなこの空気の中にいられるんなら、今だけカッコ悪い馬鹿になってもいいさ。あァ、なんだか世界規模で。
 ユウがいい。ユウしかいらん。馬鹿になってユウが手に入るんなら、いくらだってなってやる。
「ユウ、……好き」
 だから今だけ抱きしめて。





 心臓が鳴った。触れたい人が触れていた。どうしようもないと諦めていた感情が、さっき噴き出した。
 本当にどうしようもなかったんだ。抑え切れなかった。今まで我慢してきたのに、些細なことでこんなに簡単に切れてしまうものなのかと思ったけど。
「ラ、ビ」
 頭の中が真っ白で、もう何かを考える余裕などなかったように思う。
 冗談、で済まされる程度の強さじゃない。なんだこれ。どうしてこんなに強く抱いてくるんだ。そんなに鈍感なはずないだろう、お前。同情ならやめてくれ。そんなものいらん。お前の感情が全部欲しいなんて思ったこと、そりゃ確かにあったけど、そんな同情なんかいらねェよ。
 さっきは本当になんの考えもなしにお前を抱きしめちまったけど、どうすりゃいいんだよこれ。なにされてんだ、俺?
 好きとかそういう言葉、信じちまっていいのかよ。
 俺はてめェみてぇに頭良くねぇから、言葉の裏を読むなんてこと、できねぇんだ。
「……ラビ…」
 好きなんだ、お前が。
 もうどうしようもねぇ。お前が、そんな風に耳元で好きとか言うから。
 もう、抑えが利かねェぞ。責任取れよ、バカヤロウが。
「ラビ……」
 抱きしめていいのか、お前を。





 ユウが抱きしめてくれた。
 期待するさ? ねぇ、期待していいよね。オレはユウを抱きしめていいんだよね。
 好き。好きさ。ほんともう、大好き。
「ユウ、…大好き…」



 やべぇ、コレ。嬉しい。すげぇ……嬉しい…。
 都合いいように解釈すんぞ、おい。俺はお前を抱きしめててもいいんだよな。
 あァ、すげぇよラビ。俺をこんなあったかくすんのなんて、世界で絶対お前だけだ。
「……………すき、…だ」




 バンザイ。
 バンザイ、神様。
 こんなときだけ貴方に愛を贈る、わたしたちを赦してください。
 オォ ハレルヤ