キスの仕方

2006/05/04



 今日、何度目だろうと思った。
 朝、起きて1回、2回。
 司令室に向かう途中、1回。
 司令室から帰る途中、コレで3回目。
 自分が思うよりももっと、口づけるという行為が好きらしい。
 アナタが愛おしい。
 嗚呼かみさま。
 この気持ち、他にどうして伝えよう。








 ふ、と浮き上がった目蓋の奥で視線が絡んで、その先に自分の姿が映っていることに、酷く心が騒いだ。
「……っ…」
 柱の影に引っ張り込まれて、息をつくヒマもないほど、口唇を奪い、奪って。
 渇いた口唇を押し付けて、掠めたそれをぺろりと舐める。
 何度となく重ねた口唇が、それでも身体中にあえやかな刺激を走らせる。まだ出来上がっていない肉体を密着させて、抱きしめあって、口唇を寄せる。
 口唇を合わせるだけじゃお互い我慢できなくなって、自ずから口唇を開いたのは、いったいどれだけ前のことだったろうか?
 ちゅうと音を立てて吸い上げて、つつくように舌を滑らせれば、何の抵抗もなく口唇はうっすらと開いた。
「んぅ……」
 差し入れた舌で余すことなく口内を貪る。
 整った歯列。柔らかな肉壁。骨ばった上あご。濡れた下あご。
 躊躇いがちに彷徨う温かな舌を捕らえ、強く吸い上げる。
 存在を確かめるために。存在を教えるために。
「っふ……ぅ」
 口唇を少し解放すると切なげな甘い声を上げ、キスをねだる。
 欲しい、欲しい、もっと欲しい。
 アナタの口唇。
 アナタの身体。
 アナタの心。
 アナタの人生アナタの命。




 絡め取って、この舌で。
「は…ふ…」
 絡め取って、この指で。
「……すき…」
 堕として、熱っぽいキスで。
「…だいすき……」
 堕として、いっしょに。
 いっしょに、どこまでも。



 世界のどこかで笑ってるかみさまへ。
 大好きなひとへのキスの仕方はこれでもいいですか。