Life

2006/05/03



 いささか近すぎる気もするね、と歳若い室長・コムイ・リーは呟いた。
「何がっスか?」
 それを聞きとがめて、リーバーは訊ねる。淹れてきたコーヒーを手渡し、自分もまた黒茶色のそれを口に運んだ。
「神田くんとジュニアだよ。僕は選択を誤ったかも知れない」
 ありがとうと受け取ったけれど、好物なはずの液体も、今は喉を通りづらい。ギシリと椅子の背にもたれ、匂いだけ楽しんだ。
「イイじゃないっスか、険悪なよりは」
「けれどキミも分っているだろう。深すぎる繋がりは、それが途絶えたとき悲劇を生んでしまう」
 手を組んで、思う。真実を悟られないように。
 ジュニアが継ぐであろうブックマンの道は、本来隠密であったはずだ。裏を知り記録する人物など、一部にとっては邪魔な存在に置かれていることだろう。実際に、何代か前のブックマンは何者かに暗殺されたとか、そうでないとか。ブックマンの【生涯】を、きっちり知っているものは、世にひとり。ブックマン自身、ただひとりだ。
「あれだけ近いと、離れた時どうなってしまうのかな」
 受け継ぐ者の鉄則を聞かされたのは、自分が実質の責任者であるからと言える。ブックマンのその判断は正しいだろう。もし教団内の人間すべてが知っていれば、ヘタをすればジュニアが孤立しかねない。
「特に子供のうちは、死がどういうものであるか、分からない場合が多いみたいじゃない」
「不吉なこと言わないで下さいよ室長。でもまぁ……それ考えると、怖いっすよね、実際。オレだっていつ誰かをアクマにするかわかんないスよ」
 冗談めかして呟いた言葉に、コムイは苦笑する。
 自分だって、誰かをアクマにしてしまう可能性がないとは言えない。
 だけどそれは、この戦争が終わってしまえば解消されることだ。
「大切な人を持つっていうのは、とても素敵なことだけど、諸刃の感情だよね。深みにハマらなければいいけれど……」
 それでもジュニアの道は、生涯を【記録】に奪われる。
 コムイは深く息を吐き出した。
「それならば、心配には及ばん」
 突然の声に、ふたりが振り返る。そこには、教団の団服に身を包んだ、現ブックマンの姿。
「びっくりさせないでくださいよ、ブックマン」
「すまんな、職業柄、どうしても足音を忍ばせてしまう」
 なるほど、と妙に納得できてしまう。ブックマンというものはどこまでも隠密向きだななどと考えて、
「どういうことです? 心配は要らないって」
 そういえば行く末を案じていたのだと思い出す。
「近く、立つ。今のところ候補はあやつしかおらんのでな。本格的に育てねばと思っておったところだ」
 本部に来たのは顔見せのつもりだったと付け加え、コムイたちの心配は無用であると口を結んだ。
「あぁ、そうなんだ。じゃあこれ以上になることはないかな」
「また旅、っスか。寂しくなりますねー、あの騒がしいガキがいなくなると思うと」
 ははは、と笑うリーバーに、つられてコムイも笑みをこぼす。
「神田くんにもそろそろちゃんとした修行、積んでもらわないといけないしね。いい機会だ」
 引き離すのは早い方がいい、とコムイはズレた眼鏡を押し上げる。
「そうしてもらえると有難いな。手遅れになる前の方がいい」
 短い息と共に吐かれた言葉に、じゃあ僕の方で師匠となる元帥を探しましょうと椅子を立った。
 そのころ、当のふたりは、というと。何も知らずに食堂で軽く昼食を取り、いまだ充分に発動できないイノセンスの、鍛錬に繰り出していたとか、何とか。
 季節は、雪が終わる頃。






 何日かしたころだった。やけにゆっくり眠った、と思って目を開けた神田は、視界が明るいことに今さら気づく。
 ガバッと起き上がって、傍に置いてあった時計を引っつかんで覗いた。
 一瞬見間違いかとも思ったけれど、何度見直しても、時計の針は正常に動いているようだ。
 青ざめて、その次にはなんで起こさないんだ、と思い浮かべたのはオレンジの。
 いつもだったら、食事に行く前には必ず起こしに来るようになっていたのに。鍛錬に出るのも、食堂に向かうのも、一緒であるのがもう、当たり前になっていたのに。
 神田はベッドから降り、服を着替える。昨日は遅くまで鍛錬をしていたせいなのか、一度も目を覚まさなかった。
「……この時間じゃ、メシ食い終わってるだろうな」
 時計の短針は数字の九を指している。さすがに、朝食を取るには優雅すぎる時間だろう。神田はしぶしぶ部屋を出て、ジュニアの部屋に向かった。



「今、なんて言ったんさ? ジジィ」
 ジュニアは珍しく、その顔に引きつった笑いを浮かべた。
 ブックマンの口から発せられた言葉を信じたくなくて。
「一度で理解できんような頭に育てた覚えはないぞ」
「だ、だってそんなん……なんで、なんでこんなイキナリなんさ!?」
 あまりにも横暴だ、と傍らの机を拳で叩く。痛みは、感情に押されてあまり感じなかった。
「正直に言ってやろう。危険だと感じたからだ」
 もちろん、貴様の修行が目的であることは大前提だが、と付け加え、ブックマンはジュニアを軽くあしらう。
「危険って何さ!!」
「───小僧、貴様、ずいぶんとあの日本人に入れ込んでおるようだな」
「────!!」
 鋭い眼光に射抜かれて、ジュニアが息を止め。
 あの日本人、ということは、間違いなく自分が親友と呼ぶあの人だと分かる。今の教団に、神田ユウ以外に日本人は所属していない。
「だって友達なんさ」
 各地を転々としてきた自分にとって、初めてと言えるであろう、親友だった。自分ではそう思っていた。神田もそう思っていてくれたらいいと、心から願う。
「ユウは友達だもん! 一緒にいたいって思って、何が悪いんさ!?」
 ガッと鈍い音がして、視界が一気に変わる。一瞬遅れて感じた激痛は、ブックマンの拳によるもの。
「ここに来る前、話したはずだな、小僧。ワシらは中立の立場であると。友人を作るなとは言わん。ただ深入りしすぎるな」
 ジュニアはぐっと言葉に詰まる。そういえば何ヶ月か前、そんなことを言われた気がする。本部にはきっと大人ばかりなんだろうと思っていただけに、その時は仲の良い友人なんかできるはずがないと高をくくって気にも止めていなかった。
「出発は、明日の朝いちばんだ。遅れるな」
 否応なしに強いられる、離別。
 こんな、突然に。
「……かやろう……バカヤロウ、大嫌いさジジィなんかッ!!」
 ぐるりと方向を転換して、ジュニアはドアを乱暴に開け放つ。
「うわっ」
「!!」
 途端、耳に入った声に思わず振り向く。
「ユ……」
「オマ、急に開けるんじゃね…、──ジュニア!? 何、どうし、なんで、泣いて」
 こんな顔は見られたくない、とジュニアは踵を返して全速力で走った。
 約束したんだ。ずっと友達でいようって。ついこの間じゃないか。裏切ってしまう。このままでは、裏切ったと思われてしまう。
 こんなぐちゃぐちゃな感情には触れさせたくない。
「おい、ジュニア!!」
 追おうとして、途中強い腕に引かれ止められる。
「神田くん、話があるんだ」
 室長の、コムイ・リーだった。いつの間にそこにいたのだろうかと思う。もっとも、自分はまだ気配を読むのに慣れていない。意識がジュニアに向いていた分、やはり反応は遅れた。
「後でもいいだろ! ジュニアが……っ」
 いったい何をしやがったんだとブックマンを睨みつけてみるも、さらに鋭利な眼光で見返されて、神田はビクリと肩を竦めた。
「神田くん、ジュニアはね。ブックマンになるための修行に出るんだ」
 耳を疑って、そう言い放ったコムイを見上げる。
「修、行…って……」
「邪魔しちゃ、いけないよね?」
 にこり、と微笑む。卑怯だとはコムイも自分で感じていた。こう言ってやれば、子供でも身を引くのだろうと分かって、言ったのだから。相手が本当に大切なら、なおさらだろう。
「い、いつ……」
「明日」
 ガン、と鈍器で殴られたような錯覚を覚える。
 目の前が真っ暗になった。こんな風に、いっそ理不尽なくらい突然に、別れが来るとは思わなかった。
 男の約束だ、と誓ったのも、ついこの間ではないか。
「どれくらい、いなくなるんだ」
 カタカタと歯が震える。ジュニアがブックマンになりたがっていたのはちゃんと知っているし、それになるための修行ともなれば、自分が首を突っ込んでいい次元じゃないことくらい、分かってる。
「また、帰ってくるんだろ」
 だから大したことじゃない、と疑問符は付けなかった。
「どれくらいか、分からないみたい。二年か、三年か。もしかしたら、もっと、ずっと」
 否定されたそれに、神田は俯いて口唇を噛んだ。
 こんな風に別れるくらいなら、もっとたくさん、お互いのことを話せば良かった。あいつの言うことを、ちゃんと聞いてやれば良かったと。
「それとね、神田くんもそろそろちゃんとしたエクソシストの修行、積まないとね。キミのことを見てくれる元帥を頼んでおいたから、キミも明日出発しよう」
「!! ひとりでできるっ! オレはここで……!」
 ここで帰ってくるのを待っていたい、と思う心がそうさせるのか、はたまた意地か我侭か。
「ダメだ。エクソシストははっきり言って足りない。我流で技を磨かれても、困るんだよ」
「……っ」
 泣きそうになって、こらえて俯く。やっと慣れてきたというのに、ここを離れなければならないのは変わらないらしい。
「わ…かった。荷物、まとめる」
「そうして。強くなって任務で外へ出れば、少しはキミの探している人の情報も入ってくるかも知れない」
 本当にこの男は、痛いところを突いてくる。【あの人】のことを出せば、神田が何も言えなくなるのを知っていて、確信的に口にする。神田もそれに気づいていて、でも何も言えなくなるのは動かしようのない事実で、せめてもの抵抗にとギッとコムイを睨みつけ、
「そんなこと、言われなくても分かってんだよ!!」
 そう言って、バタバタと駆けていってしまった。コムイは肩を竦め、嫌われてしまったかな?とブックマンに呟いてみせる。
「……手間をかけた、室長殿」
「いいえ。僕は所詮、妹がいちばん大事な人間ですからね。早く世界が平和になってくれと、祈るばかりですよ」
 それでも、あのふたりの道は交わらないけれど、と心の中で思って、子供には酷な選択をさせている、とこの戦争を憎んだりもした。





 どこへ行ったんだ、と神田はきょろきょろと首を、視線を動かした。引き止められたおかげで、見失ってしまったではないか。
 だけどコムイやブックマンを憎んでみても、結局現状は変わらない。
 ジュニアはブックマンになるための修行に出なければならないし、自分はエクソシストとして一人前になるための修行に出なくてはいけないし。
「ジュニア……どこへ…」
 回廊を渡り、階段に指しかかろうか、という手前。石柱の間から下に見える、鮮やかな髪色。
 見つけた。
 そう思って、神田は走る速度を上げた。ここから飛び降りるには、少し高度がありすぎる。
 二階まで降りて、窓からジュニアと呼んでみる。うずくまった背中を見て、まだ泣いているだろうか、と声をかけるのは憚られたが、とっさに出てしまった音は戻せない。
「あ、ユウ! ユウ、ちょっと来て、来てー」
 アテが外れて面食らう。返ってきた表情と声は、いつもの明るさで。 「ジュ、ジュニア……?」
 不思議に思って、その窓から外へと飛び降りる。靴の裏に感じる砂利が、どうしてか痛かった。
「ユウ、見て」
 後ろから近づいて、ホラ、と示されたそれを、オレンジの上から見下ろしてみる。
「花、咲いたんさ」
 小さな花だった。薄くピンクがかった、白い花びらが五枚。なんという名前の花なのか、ジュニアも神田も知らなかったけれど、こんな寒い季節に咲く花もあるのだと、思った。
「つぼみだったヤツ、か?」
「うん、そうみたい。この間ね、訊いたらさ。やっぱりこの季節に咲く花じゃないんだって。名前、聞いておけばよかったさ」
 ふわふわと笑う。その横顔を覗き込み、焦っていたのは自分だけだったんだと考える。
 ジュニアはたくさんの知識を持っているだけあって、神田とは違う考え方も持っていたし、子供らしくない物の見方をするヤツだと、誰かが言っていたのをいつだか聴いた。
「すげぇな、コイツ」
 神田は咲いた花に視線を戻す。邪魔をしてはいけない。お互い、それぞれの生きる道があるんだと、言い聞かせた。独りでだって咲いている、この花みたいに。
「うん、すげぇさ……独りでも、ちゃんと咲いてるんさね……」
 声が、次第に弱っていく。
「こんなちっちゃい……花でも…咲いて……っ…」
 耳を疑って振り返ったら、ぼろぼろと流れ落ちる、涙。
「ジュニア…っ」
「うっ……」
 正直言って、初めて見た。ジュニアの涙なんか。検査だとか何とかで嫌いな注射を打つときにさえ、笑顔だったのに。
「ユウ、ユウやだよオレ…っ……なんでこんな急にっ…」
 落ちる涙が、花びらを濡らす。
「ジュニア、泣くなよ、おい、なぁ」
「イヤだ、ユウと離れなきゃなんないんなら、もうブックマンになんてならなくてい」
「ジュニア!」
 言い終わる前に、ジュニアの視界がぐらりと揺れる。次いで襲ってきた頬の痛みに、思わず目を丸くした。
「一時の感情で、そんなこと言うな!」
 殴られたのだと解かる。勢いに負けてついてしまった手のひらが、土で汚れる。
 素直な気持ちを言ったつもりだった。【ユウと一緒にいたい】、と。どうしてこんな風に怒ってしまったんだろう?
「ユ、ユウ……だって、…ジジィが……ブックマンは中立の立場だから、仲良くしちゃいけないって……!」
 そんなのはイヤだ、と喉が詰まる。せっかくできた親友を、失わなければならないのなら。
「……ジュニア、ちょっと来い」
 神田にぐいと腕を引かれ、ジュニアはバランスを崩す。力が強くて、立ち上がってついていくしかなかった。
「ユウ、ユウ待って、何、どうしたの!? ユウってば、ねぇ」
「いいから、来いって」
 神田の背中が怒ってる。
 どうしよう、とジュニアは焦った。自分の言動が彼を怒らせてしまったのだろうとわかるけれど、どうしたらこっちを振り向いてくれるのか、解からなかった。
「ユウ、待って足速いさ……え、…あれ……」
 ついて行くのに慣れた頃、ようやく周りを見回す余裕ができた。
 この道順は、もしかして。
 神田が向かっているのは、もしかして。
「ユ……」
 白い建物が見えて、確信した。あそこに向かっているんだ。
 ふたりで約束した、あの大聖堂。
「ユウ、ごめん約束、約束守れなくてごめん、怒んないで」
 初めて、怖いと感じた。ふたりの約束を作ろうと言い出したのは自分だったのに、それを裏切ってしまう。せっかく心を開いてくれたと思ったら、こんな形で終わってしまうなんて。
 カミサマなんて、きっといるわけない。
「ユウ、怒んないで……!」
 ファザードをくぐって、回廊を通り抜ける。走る速度が弱まった時にはもう、祭壇はすぐそこで。
「ユウ」
 何か言ってくれ、と心で願う。何を思っているのか、自分にはまだ分からない。だから話してくれ、と願った。
「ジュニア」
 やっと声を出してくれた、と涙目を上げる。神田はじっと前を見据えたまま、
「オレも、修行に出るんだ」
 静かにそう、言葉にした。
「え? ……ユウも? なんで? どこ?」
 神田はそれに、わからないと返す。コムイに詳細を聴くよりは、ジュニアを追いかけることの方が先だったのだから。
「オレのこと見てくれる、ゲンスイとかってヤツがいるらしい。出発は明日だ」
 明日、と聞いて、ジュニアは。何で大人たちの決めることはこうも突然なんだろうと恨んでみたりもした。
「そっ……か、じゃあどっちにしたって、今までみたいには行かないんさね」
「ジュニア、オレ人を捜してるんだ」
 え?と顔を上げた。そんなことは一度も聴いたことがない。生きる何分の一かの時間を共にすごしただけなのだから、話していないことなど、山ほどあるだろう。それでも、神田にとっての【それ】はとても重要そうに見える。
「オレを育ててくれた人なんだ。でも、何も言わずにいなくなった」
 だから捜してる、と神田は前を見たままだ。
「強くなる。強くなって、任務で外に出て、情報を集めて……必ず見つけ出す」
「ユウ…」
 出逢った頃は、神田のあまりの素っ気無さに、愛想の無い人間だと、思っていた。
 何度か言葉を交わす内、寂しがり屋だと、思った。
 こんなに強い人だと、知った。
「……大事なんさね、その人が」
 時を置かずして、あぁと返ってくる。さすがにお互いの過去までには踏み込めなくて、少しだけ寂しくなった。
「じゃあオレも、遠くで祈ってるさ。見つかるように」
 もしかしたらもう逢えないかも知れないから、ちゃんと言っておく、とジュニアは笑ったけれど。
「ジュニア」
 そんな予感を遮るように、神田の声が耳に入る。
「誓えよ、ジュニア」
 蒼い瞳が振り返って、心臓が高鳴った。こんなに綺麗な色をしていただろうかと考えて、心臓の音に邪魔される。
「もっかい、誓え」
 男と男の約束だろう、と握る手に力を込める。思わず目を瞠った。  こんなに真剣に考えていてくれたなんて思わなかったと言ったら、彼は怒ってしまうだろうか。
「カミサマに祈るんじゃなくて、オレに誓え。オレも、オマエに誓う」
 声が出てこなくて、すん、と鳴る鼻で応える。こっくりと頷いたら、もう顔を上げられなかった。
「泣くな、バカ」



 ふたり、息を大きく吸って向かい合う。
 ふたりで決めた五つの約束を声でなぞって、笑い合った。



 運命も、歩むべき道も関係ない。ふたりだけの、約束。
 連れ立って大聖堂を後にし、降ってくる白い綿のような雪に声を上げた。
「あの花、枯れねーかな」
「ダイジョブさ、強いもん」
 さっきまで泣いていたヤツとは思えない、と神田は軽く息を吐く。 「ユウ、ユウあのね、お願いがあるんさ」
「? なんだよ改まって」
「今日、一緒に眠ってもいい?」
 目を丸くして、次いで神田が吹き出した。もう少し大人な人間だと思っていた。よくよく、期待を裏切ってくれる。なんで笑んさ、と膨れるジュニアにいいぜと応えて、旅立ちの準備に向かう。
 繋いだ手の温もりと、降りしきる雪の冷たさと、鮮やかに映えるあの髪色を、決して忘れない。